人を集めて「せーの」を、
やめました。
作業場の鉄骨と単管パイプ、電動ウインチを組み合わせて簡易ホイストを作りました。荷台を吊り上げてから軽トラだけを前に抜く。それだけのことですが、1人で完結します。
種を明かすと、拍子抜けするくらい単純です。荷台を持ち上げるのではなく、荷台を吊っておいて、車のほうを抜く。それだけです。荷台を運ぶ必要がないので、力も人数も要りません。
今までは人を集めて、声を合わせて持ち上げていました。予定を合わせるだけで数日かかることもある。その段取りが、まるごと不要になりました。
しかも、人が荷重を受けている時間がゼロになります。持ち上げた状態で位置を直すのが一番危ない工程だったので、そこが消えたのは大きい。
思い立ったときに、1人で始められる。実際に使ってみて一番ありがたいのは、力の話よりこちらでした。
予定を合わせて何人かに来てもらい、「せーの」で持ち上げて降ろす。段取りに時間がかかり、腰にも来ます。しかも持ち上げた状態で位置を微調整するのが一番危ない。
荷台を宙に留めておけば、あとは車を前に出すだけ。荷重を人が受けている時間がありません。思い立ったときに1人で始められるのが、実際には一番大きい違いでした。
前後左右の位置合わせは手で動かします。凝った機構にしないほうが、壊れる場所が減る。電気が要るのはウインチだけ、という割り切りです。
この設備で一番効いているのが、ここです。ウインチ部分そのものが前後(X)と左右(Y)に手で動かせるようになっています。簡易的なXYホイスト、といった構造です。
吊り位置の真下にぴたりと車を入れるのは、思っている以上に難しい作業です。バックで入れて、降りて確認して、また乗って直して。これを何度も繰り返すのが、実は一番時間を食っていました。
ウインチが動くようになってからは、多少ずれた位置に停めても構いません。車はそのまま、ホイストのほうを寄せる。発想を逆にしただけですが、段取りの時間がはっきり減りました。
吊り位置が合っていないと、荷台が傾いたり、思わぬ方向に振れたりします。位置合わせは効率の話であると同時に、安全の話でもあります。
作業場の鉄骨を土台にして、そこへ単管パイプを渡しています。単管を選んだのはクランプで自由に組めて、後から足せるからです。作業場の形に合わせて、必要なところだけ組めます。
| 部位 | 使ったもの | 役割 |
|---|---|---|
| 土台 | 作業場の鉄骨梁 | 荷重を最終的に受ける部分。ここの強度がすべての前提になります |
| 渡し | 単管パイプ 約2.2m | 鉄骨の間に渡して、ウインチが移動する軌道になります |
| 補強 | 追加の単管パイプ | 曲げとたわみへの対策。1本で渡しただけでは不安が残るため追加しています |
| 吊り側 | 短い単管パイプ | ウインチを取り付ける側。ここが前後左右に動きます |
| 接合 | 単管クランプ(直交・自在) | 組み替えができる代わりに、締め付けと定期点検が命になります |
| 昇降 | 電動ウインチ(100V) | 上下動。三相の電源工事が要らないのが実際的でした |
| 吊り具 | チェーン・フック類 | 荷台を掛ける部分 |
これはアトムテックが自分の作業場・自分の用途に合わせて組んだ自作設備です。同じ材料で同じように組めば同じ荷重に耐える、という保証はどこにもありません。
吊り上げの強度は、単管だけでも、クランプだけでも、ウインチだけでも決まりません。鉄骨・単管・クランプ・ウインチ・チェーン・フック、そのすべてを1つの系として考える必要があります。一番弱いところが全体の限界になります。
このページは「約200kg前後と思われる軽トラ荷台を実際に吊った」という実例の紹介です。数値の保証ではありません。
昇降に使っている電動ウインチです。三相の電源工事が要らず、作業場のコンセントでそのまま使えるのが決め手でした。ただし、この製品の能力がそのまま設備全体の限界になるわけではありません。鉄骨・単管・クランプ・吊り具を含めた系全体で考えてください。
このホイストで上下動を担っている部分です。100Vで動くので、作業場のコンセントに挿すだけで使えます。三相電源の工事が要らないのは、自作でやるうえでかなり大きい条件でした。
製品に表示されている能力は、あくまでウインチ単体の値です。実際に何を吊れるかは、それを支える鉄骨・単管・クランプ・チェーン・フックを含めた全体で決まります。一番弱いところが限界になるので、ウインチの数字だけを見て判断しないでください。
使用前のワイヤーの点検と、巻き取りの偏りの確認は毎回やっています。
※ 商品リンクにはAmazonアソシエイトリンクを利用しています。Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。掲載の能力表示は製品の仕様であり、本ページの設備で同じ荷重を保証するものではありません。
単管を1本渡しただけでは、中央にかかる荷重で曲がる方向に力が集中します。追加の単管を入れて、力を分散させる組み方にしています。見た目より、ここが一番気を使った部分です。
単管の利点は組み替えられること。裏を返せば緩めば外れるということです。使う前に必ず増し締めを確認します。振動と使用回数で必ず緩んできます。
巻き取りが偏ると、ドラムの端に寄って傷みます。掛ける位置が悪ければ荷が傾く。吊る前に少しだけテンションを掛けて、掛かり方を目で確かめるのを毎回やっています。
慣れれば一連の流れです。ただしSTEP 4を飛ばさないことだけは、毎回自分に言い聞かせています。
ぴったり合わせる必要はありません。だいたいの位置で止めます。
車を切り返すのではなく、ウインチを前後左右に手で動かして吊り位置を合わせます。
掛ける位置で荷の傾き方が変わります。左右のバランスを見ながら掛けます。
ここが一番大事な工程です。まだ浮かせない程度に張って、掛かり方・バランス・チェーンの向きを目で確かめます。異常があればここで気づけます。
一気に上げません。荷が動き出す瞬間に、傾きや引っかかりが出ます。
全体が均等に浮いているか、この段階でもう一度確認します。
吊っている荷の下と進行方向には、絶対に入りません。
ここまでで完了です。あとは降ろす場所へ位置を合わせて下ろします。
このページはアトムテックが自分の作業場で製作・使用している自作設備の実例紹介です。同じ構造・材料で同じ荷重に耐えられることを保証するものではありません。
実施される場合は、安全を確保したうえで自己責任でお願いします。
このホイストは100Vのウインチで動かしています。作業場の中なら、それでいい。問題は、電源が来ていない現場です。
アトムテックでは、コンセントのない場所でも使えるように、マキタ18Vバッテリーで動かすモバイルウインチも自作しています。発電機を担いで階段を上がるのは本末転倒なので、手持ちの工具用バッテリーで動かせないか、というところから始めた話です。
こちらは5年間、実際の現場で使い続けています。なぜ18Vでウインチが動くのか、電圧をどう考えるのか、DC-DCコンバータをどう選ぶのか。配線の許容電流、リレーの選定、実際に壊れた部分まで、電気屋としてひととおり記録してあります。
ウインチ本体の選び方、バッテリーからの電源のつくり方、正逆転リレーと配線設計、そして5年使って分かった注意点まで。自作の判定機で、自分の構成で動くかどうかも確かめられます。
アトムテックチャンネルの全動画から、再生数の多い順に自動で並べています。順位は毎日入れ替わります。
検証データはまずYouTubeで公開しています。