アトム動力研究所 ATOM POWER LAB ── マキタ18Vで動くDIY電動ウインチの設計・配線・限界値

アトム動力研究所 ATOM POWER LAB ─ 自分で動かす。自分で未来をつくる。マキタ18Vバッテリーを取り付けた自作電動ウインチと、ATOM POWER LABのジャンパーを着た作業者
Makita 18V / DIY Winch Lab

メーカーが作らないなら、
自分で安全に作るしかない。

マキタ18Vバッテリーで12V電動ウインチを動かす。その配線設計・保護回路・限界値を、現場の電気屋が5年間の実運用データから公開します。工作の記録ではなく、設計の記録です。

【なぜ動く?】2000LB・700W電動ウインチが120Wで動く謎!マキタ18VでAI検証
Continuous Test
5年 / 実現場運用
Winch Class
2000–4000 LB
Relay
80A / 250A 級
The Power Gap

定格700Wのウインチが、
120Wで動いてしまう理由。

このチャンネルで一番多い質問です。答えは「700Wが必要」ではなく「700Wまで出せる」。定格はストール(動かなくなる最大負荷)時の上限値であって、常時消費する電力ではありません。

カタログ定格入力ストール時の上限値
700 W
起動・突入電流のピーク数十ms〜。保護回路が最も嫌う領域
〜100A+
重量物を巻き上げる時ここでマキタ側の保護が先に落ちる
300 W級
実測:軽〜中負荷の巻き上げマキタ18V駆動での常用域
約120 W
0175W350W525W700W

つまり、コードレス化で失われるのは「最大牽引力」であって「動くかどうか」ではありません。バッテリー駆動の実効牽引力は定格の数分の一。逆に言えば、限界を超えるとバッテリーの保護回路が先に落ちる──それが結果的に安全マージンとして機能しています。ただし、それに頼った運用は設計ではありません。

Load Matching Calculator

その荷物、あなたの構成で動くのか

手持ちのウインチ、電源の容量、実際に引きたい荷重を入れてください。必要牽引力から消費電力を逆算し、電源側が耐えられるかを判定します。同じ100kgでも、台車で水平に引くのと斜路を上げるのとでは必要な力が10倍以上違います。そこまで含めて計算します。

Input — 手持ちの構成と現場条件
01 / Winch — ウインチ本体
02 / Power — 電源側の上限
03 / Load — 現場で引く荷物
Line Pull 必要牽引力ロープにかかる力
Load Ratio 定格比定格牽引力に対する割合
Power Draw 推定消費電力12V換算の運転電流
Startup Surge 起動時ピーク瞬間的にはさらに大きい
0 W電源上限 —

    ⚠ この数値はあくまで目安です 計算はきれいな条件での近似値です。実際の現場では、摩擦や引っかかりによってウインチの電流は加速度的に増加します。荷が地面に食い込む、角に引っかかる、ロープの角度が変わる ── そうした瞬間に必要トルクが跳ね上がり、モーターは回転が落ちるほど電流を吸い込みます。表示値の2倍、3倍が一瞬で流れることは珍しくありません。

    なぜそうなるのか、700Wのウインチが120Wで動いてしまう仕組みも含めて、【なぜ動く?】700Wウインチが120Wで動く謎 ── AI検証 で実測しながら解説しています。この計算機を使う前に、一度見ておいてください。

    計算モデル:消費電力 ≒ 無負荷損(定格の約10%)+(定格入力 − 無負荷損)×(必要牽引力 ÷ 定格牽引力)。DCモーターの電流がトルクにほぼ比例することを利用した近似で、実測120W前後という値に合わせています。
    注意:定格牽引力はドラム1層目の値です。ロープを多く巻いた状態では実効牽引力が2〜3割落ちるため、定格比は70%以下に収める前提で構成してください。また突入電流は瞬間的に100A級まで跳ね上がります。表示値は目安であり、最後は必ずクランプメーターで実測してください。

    Why I Built It

    なぜ、ここまで
    ウインチ
    こだわるのか

    ATOM POWER LABのジャンパーを着た作業者が、作業台に据えた自作電動ウインチを見つめている。頭上の吹き出しには、重い物を前に困る自分と、ウインチを提案するもう一人の自分が描かれている
    できるだけ安全に、シンプルに、
    現場で本当に使えるものを。
    一人親方の現場では、重い物を持ち上げてくれる人は来ません。

    室外機、モーター、資材。呼べる応援はいない、でも今日中に上げないといけない。腰を痛めれば来月の仕事が消える。だからウインチを持ち込みたい。けれど現場にAC100Vが来ているとは限らないし、発電機を担いで階段を上がるのは本末転倒です。

    手元にはマキタの18Vバッテリーが何本もある。工具は全部これで動いている。ならウインチも──というのが出発点でした。5年前のことです。

    やってみると、動きました。ただ「動いた」で終わらせなかったのは、自分が電気工事を生業にしているからです。電流が流れる限り、必ず発熱と電圧降下がある。配線が細ければ焼ける。リレーは接点が溶着する。バッテリーの保護回路は落ちる。そのひとつひとつを、実際に壊しながら測ってきました。

    メーカーが製品として出してくれるなら、私たちは黙ってそれを買えばいい。でも出ない。理由もはっきりしています(→次章)。だったら、できるだけ安全に、理屈を分かった上で自分で作るしかない。このサイトはそのための記録です。真似することを勧めるためではなく、真似するなら最低限ここまで理解してほしい、という線引きを共有するために置いています。

    手元にある
    18Vバッテリーを活用
    電源がなくても
    ウインチを使える
    電気の原理を理解し
    安全に使う
    現場で本当に
    使えるものを作る
    Atom-Tech / 現場の電気屋・第二種電気工事士
    Real Job / 実用例

    一人で、軽トラのコンテナを降ろす。

    前の章で書いた「呼べる応援はいない」を、そのまま撮ったのがこの動画です。人手があれば数分で終わる作業を、一人でやるとどうなるか。ウインチを使えば降ろせます。ただし、降ろせることと安全であることは別です。

    荷が動き出した瞬間、止められる手段が何本あるか。ロープの延長線上に立っていないか。ここを設計していない状態で真似をすると、本当に危険です。だから【マネ厳禁】と付けています。

    なお、作業場の中でならもっと安全なやり方があります。鉄骨と単管パイプで簡易ホイストを組んで、100Vの電動ウインチで吊る方法です。約200kgの軽トラ荷台を1人で降ろした実例 → にまとめました。

    ⚠ この作業は推奨していません 荷の下、荷の進行方向、ロープの延長線上には絶対に入らないでください。ワイヤーやロープが破断すれば、荷は止まりません。一人作業では、異常が起きたときに止めてくれる人もいません。実施される場合は、第3章の主電源スイッチと、第2章の配線設計を必ず先に読んでください。
    【マネ厳禁】自作ウインチで軽トラのコンテナを1人で降ろす!ワンマン作業のリアル
    第 1 章

    なぜメーカーは「マキタ18V版ウインチ」を作らないのか

    技術的にできないからではありません。作れるけれど、売れない・売ってはいけない理由が3つあります。ここを理解しないまま真似をすると、危険なのは自分自身です。

    Reason 01

    製造物責任(PL法)の壁

    ウインチは「吊る・引く」道具です。落下すれば人が死ぬ。メーカーが出す以上、ワイヤー破断・ブレーキ不良・誤操作まで含めた全責任を負います。バッテリーの残量低下で巻き上げ中に停止する可能性がある機器を、荷役用として保証するのは現実的ではありません。

    Reason 02

    バッテリー保護回路との相性

    12Vウインチは起動時に100Aを超える突入電流が流れます。一方でマキタのバッテリーは、電動工具として安全な範囲に電流を制限する保護回路を持っています。ウインチを定格で回そうとすれば、この保護が繰り返し作動する。「頻繁に止まる商品」は商品になりません。

    Reason 03

    対策コストが本体価格を超える

    突入電流対策(ソフトスタート回路)、極太配線、大容量コンタクタ、熱設計、過負荷検出。全部やれば安全な製品にはなりますが、原価は跳ね上がり、電動ウインチ本体より高くなります。市場規模を考えれば商品企画は通りません。

    この3つは全部、私たちの自作にも
    そのまま跳ね返ってきます。

    違いは、責任を負うのがメーカーではなく自分だということだけ。だから配線サイズも、ヒューズも、リレーの容量も、「動けばいい」ではなく「壊れ方まで設計する」必要があります。

    18Vバッテリー大電流に耐える高出力
    +
    大容量リレー確実に電流を制御
    +
    ヒューズ・遮断器万一に備えた保護
    +
    太線・確実な配線発熱・電圧降下を防ぐ
    安全に動くウインチ設計された結果
    第 2 章

    電気・配線設計の基礎
    ── 許容電流と電圧降下

    DC12Vの世界では、AC100Vと同じ仕事をするのに約8倍の電流が流れます。「AC100Vで使っていたVVF1.6mmで足りるだろう」は、ここでは通用しません。

    18V バッテリー ヒューズ 電線を守る 正逆転リレー 接点が大電流を通す ウインチ本体 リモコン 主回路:太線・大電流(60〜100A) 制御回路:細線・小電流(数A) 太い配線で 電圧降下を防ぐ

    主回路(赤・黒の太線)と制御回路(緑の破線)は、別の系統として考えます。リモコンのスイッチが流すのはリレーのコイル電流だけで、モーターを回す大電流はリレーの接点を通ります。太くしなければならないのは主回路であって、リモコンまわりではありません。

    断面積 sqAWG目安連続許容電流の目安12Vウインチでの用途太さ比較
    1.2516約 19 A動力線には不可(制御・信号のみ)
    2.014約 27 A動力線には不可
    5.510約 49 Aごく短距離・軽負荷のみ(推奨せず)
    8.08約 61 A最低ライン。短距離の主回路
    146約 88 A推奨。バッテリー〜リレー〜モーター間
    224約 115 A余裕を取りたい場合・長め配線

    ※「太さ比較」の図は、導体の見かけの太さを実寸比で描いています(断面積が4倍なら直径は2倍)。1.25sqと22sqでは、面積で17倍以上の差があります。
    ※ 数値は絶縁電線を単独・気中に敷設した場合の一般的な目安です。周囲温度、束ね方、絶縁体の耐熱クラス、接続端子の性能で大きく変わります。実機では必ず実負荷での発熱を手で触って確認してください。10分連続で触れないほど熱いなら、その配線は細すぎます。

    電圧降下の簡易チェック

    DC2線式:e = 35.6 × L × I ÷ (1000 × A) / L=片道長さ(m)、I=電流(A)、A=断面積(sq)
    Voltage Drop
    Drop Ratio @12V

    リレー(コンタクタ)の選び方

    正転・逆転を切り替える主回路のリレーは、連続電流ではなく突入電流で選びます。常用60Aだから80Aリレー、では余裕がありません。接点は開閉の瞬間にアークが飛び、そこで少しずつ削れ、最後は溶着します。溶着=スイッチを離してもモーターが止まらない状態。これが最も危険な壊れ方です。

    80A級で動くのは事実ですが、5年使った実感としては250A級のウインチ用コントロールボックスに置き換えるのが正解でした。専用品は接点材質もアーク対策も違います。

    ヒューズは「配線を守る」もの

    よくある誤解が「モーターを守るためにヒューズを入れる」。違います。ヒューズが守るのは電線と、その先にある人と建物です。だから容量は、モーターの定格ではなく使った電線の許容電流以下で選びます。

    8sq(約61A)を使ったなら60A、14sq(約88A)なら80A。ここを大きくすると、短絡時に守るものが何も無くなり、燃えるのは配線です。バッテリー直近(プラス側の根元)に必ず1つ入れてください。

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    いま一番見られているのがこの1本です。理屈だけでは伝わらない「実際に動いている音と速度」が入っています。まだなら、ここから見てください。

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    【実写】マキタ18Vで自作電動ウインチ!コードレス化&自走式の仕組みを徹底解説
    第 3 章

    作り方 ── 5ステップの組み立て手順

    順番には意味があります。特にSTEP 4より前に電源を繋がないこと。配線が完成する前の通電が、事故の大半の原因です。

    01

    ウインチ本体とベースプレートの固定

    まず「引かれる力をどこで受けるか」を決めます。ウインチが引く力より、それを固定しているボルトの方が先に負けます。2000LB級なら約900kg、4000LB級なら約1800kg。板厚・ボルト径・母材の強度をここで決めてしまいます。木材への直付けは避けてください。

    吊り上げ(人や荷の頭上作業)には絶対に使わない。ウインチは水平牽引用です。
    板厚・ボルト径・母材の強度で決まる 水平牽引 ボルトが先に負ける 吊り上げ厳禁
    固定ボルトと母材の強度が、牽引力の上限を決める
    02

    電源系統の設計:18V → 12V をどう作るか

    マキタ18Vバッテリーは満充電で約20V、放電末期で約15V。12Vウインチにそのまま繋ぐ構成と、DC-DCコンバータで12Vに落とす構成があります。前者は電圧が高いぶん回りますが、モーターにもリレーにも定格外。後者はコンバータの電流容量(30A級)が上限になるため、重負荷では足りません。用途を決めてから選ぶのが正解です。40Vmaxバッテリー+コンバータという選択肢もあります。

    A 直結 18V 満充電20V ウインチ よく回る but 定格外 B コンバータ経由 18/40V バッテリー DC-DC 30A / 360W リレー ウインチ 安定するが 360W が上限。重負荷では足りない
    直結とコンバータ経由、それぞれの得意と限界
    03

    バッテリーアダプタ・ヒューズ・主電源スイッチの組付け

    バッテリー端子アダプタから出た+線の、できるだけ根元にヒューズホルダーを入れます。次に主電源スイッチ(または非常切離し)。この時点で「一手で全部止められる場所」を必ず作ってください。リレーが溶着してモーターが止まらなくなったとき、最後に頼るのがここです。

    アダプタ ヒューズ できるだけ根元に 主電源スイッチ リレーへ 「一手で全部止められる場所」を必ず作る
    +線の根元から順に。最後にリレーへ
    04

    正逆転リレーとリモコンの配線

    主回路(太い線・大電流)と制御回路(細い線・数A)を、物理的にも頭の中でも分けて考えます。リモコンのスイッチが直接流すのはコイル電流だけ。太い電流はリレーの接点を通ります。正転側と逆転側のコイルが同時に励磁されない配線になっているか、通電前に必ずテスターで導通確認を。

    配線完了後の初回通電は、必ずワイヤーを外した無負荷状態で。
    正転リレー 逆転リレー 同時励磁NG モーター 主回路 60〜100A リモコン 制御回路 数A 流れるのはコイル電流だけ
    太線は接点を通り、リモコンはコイルだけを流す
    05

    実負荷テストと発熱チェック

    軽い荷から段階的に負荷を上げ、各段階で停止して端子・リレー・配線・コネクタを手で触って温度を確認します。熱を持つのは決まって「接触抵抗が大きい場所」=圧着不良・端子の緩み・細すぎる線。ここで見つかる問題が、5年後の焼損を防ぎます。デューティ比(間欠運転)の感覚もこの段階で掴んでください。連続巻き上げは30秒〜1分、その後は休ませる。これが長持ちの条件です。

    発熱チェック 圧着端子リレー本体配線全長コネクタ 各段階で停止して手で触る 10分触れない=細すぎ 連続30秒〜1分で休ませる
    負荷を段階的に上げ、各段で温度を確認する
    5年使って分かった作り方と注意点 ①
    5年使って分かった作り方と注意点 ②
    第 4 章

    実際に使っているパーツと、選んだ理由

    「これを買えば動く」ではなく「なぜこの容量なのか」を添えています。同等品でも構いませんが、電流容量だけは下げないでください。ウインチ本体は大きいほど良いわけではありません。50kg付近の荷なら2000LBS級で十分です。

    下のリンクは、すべて自分が実際に買って使っている部品です。「安いから」ではなく「なぜこの容量なのか」で選んでいます。同等品でも構いませんが、電流容量だけは下げないでください。ボタンから商品ページへ移動して、スペックと端子サイズをご自身の目で確認してから判断してください。

    本体|まず選ぶならこれ

    WEIMALL 電動ウインチ 12V 2000LBS(907kg)

    2000LBS / 907kg12V軽量・持ち運び向き

    50kg前後の重量物を扱うなら、まずこれ。4000LBS級より本体が軽く、消費電力も小さいので、バッテリー駆動との相性はこちらが上です。持ち運んで現場ごとに据え付ける使い方なら、重量差がそのまま体力差になります。軽い荷に大きすぎるウインチを選ぶ意味はありません。

    この1台を実際に見てみるAMAZON →
    推奨
    2000LB
    本体|余裕を取る選択

    WEIMALL 電動ウインチ 12V 4000LBS(1814kg)ロープ

    4000LBS / 1814kg12V合成ロープ仕様

    100kgを超える荷や、斜路・階段など必要牽引力が跳ね上がる条件で余裕を取りたい場合の選択肢。減速比が大きく、同じ負荷なら電流が下がるのが利点です。そのぶん本体は重く、持ち運び前提の現場では負担になります。用途で使い分けてください。

    余裕を取りたい人はこちらAMAZON →
    4000LB
    ロープ|安全に直結する部品

    高強度繊維ロープ 6mm × 15m(7700LBS)

    6mm × 15m7700LBS高強度繊維

    ワイヤーからの交換用。破断時の跳ね返りがワイヤーより格段に軽いのが最大の利点で、これは安全に直結します。軽くて手で扱えるため、ロープを引き出す作業が速い。錆びず、手を切らない。ウインチ本体より先に、ここに金をかける価値があります。ただし熱と紫外線には弱いので、ドラム周りの発熱と保管場所には注意を。

    安全に効く部品を見てみるAMAZON →
    7700LBS
    制御|今の本命構成

    Jeffergarden 電動ウインチリレー 250A 12V コントロールボックス

    250A / 12Vウインチ専用設計溶着に強い

    今の本命構成。汎用80Aリレーで組むより、ウインチ専用の250A級コントロールボックスの方が接点寿命が桁違いです。突入電流でアークが飛ぶ前提の設計になっているため、溶着トラブルが激減しました。予算が許すならここに使ってください。

    本命の部品はこちらAMAZON →
    今の本命
    250A 12V
    制御|消耗品として割り切る

    ウインチ用 正逆転リレー(汎用)

    80A級汎用タイプ予備を1個

    動画で分解した80A級はこのタイプ。安価で入手性が良い反面、消耗品と割り切る必要があります。作動音が変わってきたら交換のサイン。予備を1個ストックしておくのが現場での鉄則です。

    予備を確保しておくAMAZON →
    消耗品
    80A
    電源|18Vで手軽に始める

    マキタ 18V LXT バッテリー変換アダプター(18V→12V)

    18V → 12V手持ちのLXTが使える

    最も手軽な入口。持っている18Vバッテリーがそのまま使えます。ただしアダプタ内部の配線と端子が電流のボトルネックになりがちなので、通電後の発熱確認は必須。重負荷を狙うなら次のコンバータ構成へ。

    まず試すならこれAMAZON →
    18V
    電源|36-48V から安定した12Vへ

    36V/48V → 12V コンバーター 30A 360W 防水

    MAX 30A / 360W防水筐体出力が安定

    40Vmaxバッテリーから安定した12Vを作る構成。電圧が落ちてもモーターへの供給が安定するのが最大の利点です。上限は30A/360Wなので、重量物の全力巻き上げには足りません。中負荷の常用機として組むなら最適解。防水筐体は現場で効きます。

    電源を強化するAMAZON →
    DC-DC CONVERTER 36-48V → 12V MAX 30A / 360W
    電源|40V化の入口

    マキタ 40Vmax バッテリーアダプター

    40Vmax 入力電流が約半分発熱が減る

    上のコンバータとセットで使う入口側。40Vmaxは同じ電力なら電流が約半分になるため、アダプタ・配線・端子の発熱が明確に減ります。18V構成で熱に悩んでいるなら、こちらへの移行を検討する価値があります。

    40V化の入口を見てみるAMAZON →
    40V
    電源|テスト・実験用

    互換 マキタ 40V バッテリー BL4025 2500mAh

    40V / 2500mAh互換品純正を実験台にしない

    テスト用・実験用として。純正を実験台にしたくないという理由での選択です。実運用では容量に余裕のある純正を推奨します。互換品は保護回路の挙動が製品ごとに違うため、限界域のテストには使わないでください。

    実験用に用意するAMAZON →
    実験用
    40V
    電源|12V→18V 昇圧(応用)

    バッテリーコンバータ 12V → 18V

    12V → 18V逆方向の変換

    逆方向の変換。12V電源側から18V系の機器を動かしたい場合の応用パーツです。車載バッテリーやポータブル電源を電源にして、マキタ系の機器や制御回路を動かす構成で使います。

    応用パーツを見てみるAMAZON →
    BOOST CONVERTER 12V → 18V STEP-UP
    Reference — 参考情報(使用実績なし)

    バッテリー式ウインチ(Amazon 取扱品)

    これは推奨パーツではありません。運営者が実際に使用しておらず、レビュー件数も少ないため、おすすめできる商品とは限りません。ご購入はご自身の判断でお願いいたします。

    最近は、はじめからバッテリー駆動を前提にしたウインチも流通するようになってきました。「自作せずに買えるなら、そのほうがいい」というのが正直なところなので、選択肢として置いておきます。

    ただし、このサイトで扱っているのは5年間実際に使って、壊して、測ったデータです。使ったことのない製品について、同じ精度で語ることはできません。検討される場合は、牽引力の定格値だけでなくバッテリーの容量・保護回路の挙動・連続使用時間・ブレーキの有無を必ず商品ページで確認してください。第2章と判定機の考え方は、市販品の評価にもそのまま使えます。

    参考までに見てみるAMAZON →

    当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。リンク先の価格・仕様は変更される場合があります。購入前に必ず商品ページで電流容量と適合をご確認ください。

    第 5 章

    故障診断 ── 症状から原因を切り分ける

    5年間で実際に起きたトラブルと、その時の切り分け手順です。症状をタップして開いてください。

    カチカチ音はするが、モーターが回らない R 制御側は生きています。疑うのは主回路と電源。
    1. リレーのコイルは動作している=制御回路は生きている。問題は主回路側。
    2. バッテリー電圧を負荷をかけた状態で測る。極端に落ちるなら保護回路作動か容量不足。
    3. リレー接点の導通をテスターで確認。コイルが動いているのに接点が導通しないなら接点の摩耗・接触不良。
    4. 主回路の圧着端子を1つずつ触る。緩み・変色があればそこが原因。
    スイッチを離してもモーターが止まらない ! ほぼリレー接点の溶着。ただちに主電源を切る。

    最も危険な故障です。ただちに主電源を切るかバッテリーを外してください。

    1. 原因はほぼ確実にリレー接点の溶着。アークで溶けた接点が離れなくなっています。
    2. 溶着したリレーは修理せず交換。一度溶けた接点は元に戻りません。
    3. 再発するなら容量不足。80A級で溶着したなら250A級コントロールボックスへ。
    4. この故障があるから、STEP 3の「一手で切れる主電源」が必要です。
    途中で止まる・すぐに動かなくなる STOP 保護回路の作動が最有力。故障とは限りません。
    1. マキタ側の保護回路(過電流・過放電・過熱)の作動が最有力。バッテリーを外して数分置き、再投入で復帰するなら保護作動。
    2. 復帰するなら故障ではなく「負荷が設計を超えている」という設計側の答えです。滑車を使って荷重を分散するか、負荷を減らす。
    3. 電圧降下も疑う。第2章の計算で10%を超えているなら配線が細い/長い。
    配線・端子が熱い、焦げ臭い、煙が出た 再通電しないこと。接触抵抗の大きい場所を探す。

    直ちに電源を遮断。煙が出た場合は再通電しないでください。

    1. 発熱箇所を特定する。ほぼ例外なく「接触抵抗の大きい場所」=圧着不良、端子の緩み、コネクタの容量不足。
    2. 電線そのものが全長にわたって熱い場合は、電線が細すぎます。1サイズ上へ。
    3. 焦げた端子・電線は再使用しない。絶縁体が劣化しています。
    4. ヒューズが飛ばずに配線が焼けたなら、ヒューズ容量が過大です。第2章を再確認してください。
    【電動ウインチ故障】動かない?丸ごと買い替える前にリレーを確認! ── まずここを見てください
    【故障解析】原因は80Aリレー?中身を開けて仕組みを解説 ── 接点溶着の実物が見られます
    第 6 章

    5極リレーとは何をしている部品なのか
    ── そして「80A」表記は信じていいのか

    自作ウインチの修理をきっかけに、リレーそのものを調べ直しました。動画配信に先駆けた予習として、基本と、実際に手を動かして分かった疑問をまとめます。

    ウインチの中を開けると出てくる、小さな黒い箱。そこには 30・85・86・87・87a という5本の端子があります。数字だけ見ると難しそうですが、コイル側と大電流側に分けて考えると、仕組みは驚くほど単純です。

    8586コイル側

    この2本は、内部のコイルを動かすための端子です。電気を流すとコイルが電磁石になり、その磁力で接点を「カチッ!」と動かします。

    つまり85・86に流れる電気そのものが、モーターを回しているわけではありません。小さな電気で電磁石を作り、大きな電気を流す接点を動かす。これがリレーの基本的な役割です。慣例として86が+、85が−(ボディアース側)です。

    308787a大電流側

    30番はCOM(共通端子)。電源が来る入口です。コイルのON・OFFで、30番につながる相手が切り替わります。

    コイルOFF → 30と87a が接続(87a=NC/通常時つながっている接点)
    コイルON → 30と87 が接続(87=NO/通常時は開いている接点)

    ものすごく簡単に言えば、5極リレーとは「電気で動かす切替スイッチ」です。

    5ピンリレーの端子配置図。30が共通端子、87がNO接点、87aがNC接点、85と86がコイル端子であることと、テスターによる測定手順を示している
    5極リレー(1C接点/SPDT)の端子配置と測定ガイド。コイルに電圧がかかると、30の接点が87a側から87側へ切り替わります。測定は必ず電源を外した状態で行ってください。
    The 80A Question

    「80A」と書いてあれば、
    本当に80A流せるのか?

    交換用にAmazonで 12V・80A と書かれたリレーを買いました。ところが、古いリレーと並べてみると──同じ80Aクラスなのに、端子の太さが全然違う。

    近くのカー用品店で一般的な平型端子を確認すると、店頭にあった250型は DC12V・200W以下。電流に換算すると 200W ÷ 12V ≒ 16.7A です。一方、今回検討している電源は12V・360W。単純計算で 360W ÷ 12V = 30A

    リレー本体に「80A」と書いてあるだけで判断していいのか。少なくとも私は、数字だけでは判断しないほうがいいと考えています。

    同じ80Aクラスとされる2個の5極リレーを並べた写真。右側は主回路用の端子が明らかに幅広く厚い
    どちらも「80A」。それでも主回路側の端子は、右のほうが明らかに幅広く厚い。ここが実際の通電能力を決めます。

    平型端子にも大きさがある

    大容量リレーには、端子そのものを大きくしている製品があります。制御側には 6.3mm・250型、大電流を扱う主回路側には 9.5mm・375型 のような大型平型端子を使うタイプです。

    端子役割流れる電流端子サイズの例
    85 / 86コイル(制御側)数十mA〜1A程度6.3mm・250型
    30 / 87 / 87a接点(主回路側)数十A〜100A超9.5mm・375型など

    リレーだけ80A対応でも、途中に使う端子や配線の容量が不足していれば、そこが弱点になります。リレー・端子・電線・ヒューズ・実際に流れる電流。これらを切り離さず、ひとつの回路として考える必要があります(→ 第2章の許容電流表)。

    Diagnosis

    「カチッ」と鳴れば正常、
    とは限らない

    リレーに電気を入れて「カチッ!」と音がした。それだけで正常と判断していいのでしょうか。コイルが正常に動いていても、30・87・87a側の接点が焼けていたり、接触抵抗が大きくなっている可能性があります。音が鳴るのはコイルが動いた証拠であって、接点が正しく通電している証拠ではありません。

    1. 1
      コイル抵抗の測定(85−86間)数十Ω〜数百Ωが正常範囲。OL(無限大)ならコイル断線です。
    2. 2
      コイルOFFで 30−87a は導通するか通常時につながっているはずの接点。ここが導通しないなら接点不良です。
    3. 3
      コイルONで 30−87 へ正常に切り替わるか86に+、85に−を接続して動作させ、切り替わりを確認します。
    4. 4
      焦げ・変形の目視確認端子や樹脂に焦げや変形があれば、接点不良の可能性が高い。数値より雄弁です。

    ※ 測定は必ずバッテリーや電源を外した状態で行ってください。テスターのリードや工具が端子間に触れると短絡します。大電流側(30・87・87a)は太く、通電中は素手で触らないこと。ショートや逆接続は、リレーと配線の焼損・火災の原因になります。

    リレー|今回検証したもの

    SOCOCO 5ピンリレー 自動車用 スプリットチャージ DC12V 80A

    5極 1C接点80A 表記DC12V

    今回の検証で購入した5極リレーです。安価で入手性が良く、5極(1C接点)の基本を学ぶには手頃。ただし本文のとおり、同じ「80A」表記でも端子サイズは製品ごとに違います。購入前に主回路側の端子幅(6.3mmか9.5mmか)を必ず確認してください。ウインチの主回路に使うなら、端子の大きい製品か、専用のコントロールボックスを選ぶほうが安全です。

    端子の太さを確認するAMAZON →
    80A 12V 863085 87 / 87a

    当サイトはAmazonアソシエイト・プログラムの参加者です。Amazonのアソシエイトとして、適格販売により収入を得ています。

    実物を使った検証動画は準備中です テスターで85−86のコイル、30−87a、30−87の切り替わりを実際に測定します。公開したらこの場所に動画を掲載します。
    このページには今後、実際の測定結果・交換したリレー・使用した端子と配線・修理結果も随時追加していきます。
    第 7 章

    動画アーカイブ

    実機の動き、音、発熱。文章と図では伝わらない部分は動画で確認してください。

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    検証実験の新しいデータは、まずYouTubeで公開しています。

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